みなさんこんにちは。
京都市北区にあります MORIピッチングラボ 代表の森 洋人です。
今回は、私が普段行っている『投球解析』についてのお話です。
ピッチングの指導をするときには必要不可欠な作業です。
現状の「問題点」や「課題」を把握することで、
【今、自分には何が必要で、何をするべきなのか?】
「努力の方向性」を明確に示すことができます。
やみくもな練習によるケガから、子供たちを守ることができるのです。
具体的にどの部分をみればいいのか?
このブログでは、投球解析のポイントを簡単にお話させていただきます。
※動画では、実際の指導例をもとに詳しく説明しておりますのでぜひご覧ください。
(このページ下部にYouTube動画へのリンクがあります)
投球動作を2つに分けてみていくことにしましょう。
・早期コッキング期
→腕が上がってきてから、前足の接地まで
・後期コッキング期~リリース~フォロースルー
→前足の接地前後から、投げ終わりまで
早期コッキング期
① 上体の突っ込み
つぎの2つの投球写真を比べてご覧ください。
早期コッキング期を、さらに3分割しているのですが、
上の選手に比べて、下の選手は「上体の突っ込み」があります。
体幹軸(赤いライン)が前方に傾いているのが見てわかると思います。
▼ 上体の突っ込みがあると「腕の代償動作」が起こることが多いです。
② (非投球側の)肩の開き
一般的に「体の開きが早い!」といわれる要因です。
③ (投球側の)腕の引き
「ゼロポジション」ということばを聞いたことはあるでしょうか?
写真(左)のように、
肩甲骨と上腕骨の軸(赤いライン)が一直線に近いほうが、肩関節の安定性が高まるといわれています。
「腕の引き」によって、このゼロポジションが崩れてしまう可能性があります。(写真右)
筋肉の出力が落ちてしまい、パフォーマンス低下につながることがあります。
ただし、肩まわりの柔軟性がある選手の場合、
肩甲骨ごと腕を引いていれば、ゼロポジションは保たれているため問題ありません。
このように、フィジカル面の評価をすることも大事です。
後期コッキング期~リリース~フォロースルー
このフェーズでみるポイントは、つぎの2つです。
① くの字になっていないか(体幹軸と大腿軸の角度)
② 腕の遅れ
① くの字になっていないか
(体幹軸と大腿軸の角度)
つぎの2つの写真を見比べてみましょう。
まずは「最大外旋」に注目します。
体幹軸(赤ライン)と大腿軸(黄ライン)の角度を見比べてみると、
上の選手は直線に近いのに対し、下の選手は「くの字」に折れ曲がっています。
直線に近い方が、体幹の力を使えるのでパフォーマンスも良くなります。
【要因】
くの字になってしまう要因はいくつか考えられます。
・上体の突っ込み
・踏み込み足の股関節の硬さ(内外旋筋やハムストリングスなど)
・並進運動後期の骨盤回旋スピードの低下
→ いい選手は後期コッキングにかけてスピードが上がるのに対し、
くの字になる選手は早期コッキングの半ばで最大になり減速してしまう。
動作解析で問題点を見つけられれば、解決策を考えることができます!
② 腕の遅れ
つぎの2つの写真を見比べてみましょう。
上の選手は、下の選手に比べて腕が遅れていることがわかると思います。
腕(緑ライン)と体幹軸(赤ライン)と大腿軸(黄ライン)、
3つのラインが一直線に近づくと、よりボールに力を伝えることができます。
【要因】
腕が遅れてしまう要因はいくつか考えられます。
・上体の突っ込み
・スピード不足(筋力、瞬発力など)
→とくに腕の長い選手は、遅れないための筋力がより必要になります。
選手の特性を見極めて、改善策を考えることが大切です。
終わりに
いかがでしたか?
今回は、普段私がおこなっている「投球解析」を簡単にご紹介させていただきました。
【今、自分には何が必要で、何をするべきなのか?】
課題を知ることで、正しい努力の方向性を示してあげられるように。
参考にしていただければ、嬉しく思います。
動画では、実際に「投球解析」を行っている様子をのせています。
より詳しく、分かりやすく知りたい方はぜひご覧ください。