みなさんこんにちは!
京都市北区にあります もり鍼灸整骨院&MORIピッチングラボ代表の森です。
今回は、ピッチング、投げる動作のメカニズムについて少しお話ししていきたいと思います。
練習しているのにうまくいかない
イップスみたいになった
投げるこに自信が持てない
そのような方には参考になるブログだと思います。
まずはこちらの動画をご覧ください。
これは、足だけで歩くロボットですが、なんとこのロボには動力になるモーターがありません。
このロボを動かしているエネルギーは重力だけです。(緩やかなくだりのスロープを歩いています)
動力もないのに不思議だと思いませんか?
およそ10年前、このロボの前身となるロボの動画をみたことが、私がバイオメカニクス、人の体を動かすメカニクスに興味を持ったきっかけです。
当初は歩くメカニズムに興味を持って勉強を始めたのですが、勉強してるうちに歩く動作と、投げる動作にはたくさんの共通点があることに気がつきました。
今回は、そんな歩く動作とピッチングに共通点する「受動的である」ということについてお話しします。
「受動的」とは
この歩行ロボットには動力は存在しません。
重力と、人体同様の関節構造を持たせることで歩行を可能にしています。
よく歩く時は「足を上げる」とか「足指で蹴る」このような意識を持って、などと指導されることがあります。
ところが、このロボを見てもおわかりのように、足を上げるモーターもなければ、足を蹴るモーターもありません。
全てが関節の動きに自然に導かれています。
これが「受動的」であるということです。
勘違いしてはいけないのが、決して筋肉が必要ないと言っているのではありません。
関節、骨格の構造を維持するだけの筋力は必要です。
ただ、それだけの筋肉があれば歩くことは可能という事実は本当に興味深いことですね。
ピッチングも受動的であるべき
受動的な動きというのは、長期間の繰り返し動作で自然に形成されます。
赤ちゃんの頃からずっと歩いているから普段何も意識しなくても歩けるようになるんですね。
自転車に乗れるようになるのも同じで、はじめはいろいろ失敗しながら練習して、その後は受動的な動きが形成されます。
ピッチングや投げる動作も同じで、その動作は受動的であるべきです。
この受動的な動きが形成される前に、いろんな意識を擦りこんでしまうことで、帰って受動的な動きが阻害される可能性があります。
見た目はきれいだけどボールに力のない子供たち
私がこのお話しをしたい理由は、受動的な動きができる前に、いろんなことを意識しすぎて結果うまく投げられない子供たちが増えてきているように感じるからです。
現在、SNSなどではたくさんの情報を得られるようになってきました。
例えば「腕の角度はこうだ」「円を描くように腕を回して投げる」「手首を立てて投げろ」など、
このような動作は決して意識するものではなく、本来は受動的に引き起こされる動作になります。
そんなことを小学生の頃から意識していると、かえって正常な受動的動作を獲得できないケースもあります。
その一例が、「見た目はきれいだけどボールに力のない子供たち」です。
一見きれいなフォームに見えるけど、実際に投げてみるとボールに力がない、そんな子供たちをこれまでたくさん見てきました。
これは本来持つべき「早いボールを投げる」「強いボールを投げる」ということを目的にするのではなく、
「きれいに投げる」ことを目的にしているからです。
きれいに投げられることは結果であって目的ではありません。
メジャーリーガーでもめちゃくちゃなフォームから豪速球を投げるピッチャーもいますよね。
どうすればピッチング・投球を受動的におこなえるのか
特に、小学生以下のお子さんをお持ちの方は以下のことをお勧めします。
まず、投げる目的は強く投げることだと認識してください。
そして、少なくとも小学生の頃まではピッチャーだけでなく様々なポジションを練習してください。
また野球だけではなく、遊びの中でも良いので様々なスポーツを経験させてください。
できればそこそこプレーできる程度が望ましいです。
投げる動作、特にピッチング動作は単に腕をふるだけでなく、体重移動を行い、腰の回転を伴い、軸を安定させて腕を振ります。
このように投げる動作は様々な動きを複合的に遂行しています。
卓球やバスケの体重移動、バレーボールやバドミントンでの力の伝え方などあげればキリがありませんが、そのような身体操作を獲得しておくことで、最終的に獲得される受動的な投げる動作の完成度が高くなります。
内野手の練習をされるのも強くお勧めします。
サウスポーであれば、ファーストでも良いので内野を経験させてください。
内野手と投手の投げ方は、厳密には違いがありますが、野手の体の使い方ができる方がピッチャーとして成長できます。
良いピッチャーがバント処理などのフィールディングもうまいのはそのためです。
イップスも受動性が崩れている
投げる時に、こうやって投げる、腕をここまで上げてからこう捻って投げる、足はこうやって着いて投げる、意識すればするほど動きが不自然になる経験をされた方もいるのではないでしょうか。
受動的な動きが獲得できていない選手が、そのような意識を持つことで、本来の動きを見失いまともにボールが投げられなくなることもあります。これがイップスです。
イップスは精神論として語られることが多いですが、多くの場合、この受動性の崩れが起きています。
精神的なことが引き金になることはありますが、本質的には動作不良ということになります。
イップスの治療に関して詳しくはこちらのページをご覧いただければと思います。
まとめ
・練習しているのにうまくいかない
・イップスみたいになった
・投げるこに自信が持てない
このようなお悩みがある方はど、考えすぎて投げているケースがあります。
うまくいかない時はフォームのことを気にするよりも、しっかり強い球を投げることだけに意識をおいてみてはいかがでしょうか。
MORIピッチングラボでは、野球肩や野球肘の治療、球速アップ、コントロール改善、怪我予防のための投球指導、またイップスの治療なども行っております。
オンライン相談、指導なども行っておりますのでご相談などあればLINEでお問い合わせくださいね。
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