皆さんこんにちは。
京都市北区 円町近くにあります MORIピッチングラボ 代表の森です。
今回も野球のピッチングにおけるヒントやコツをお伝えします。
今日のテーマは野球肘を治す3つのポイントです。
野球肘でお悩みの方、予防のために知っておきたいという方は、このポイントを押さえておきましょう。
野球肘の原因は「肘」ではない⁉
野球肘というのは、投球時に肘の内側や外側、後方などに痛みが起こる場合をいいます。
「野球肘」と言葉だけを聞くと、あたかも肘に原因があるように思われますが、
肘の痛みの原因は、別の場所にあると考えることが出来ます。
注目すべきポイントは3つです。
①肩関節
②手首(前腕)
③股関節
これらの動きが悪くなると、肘に負担が掛かり、痛みを引き起こします。
野球肘の原因は肩・手首・股関節がポイント
本来、肘関節の動きは「曲げる」「伸ばす」の2つだけです。
しかし、肘の上下の関節である「肩」「手首」の動きが悪いと、
それをカバーするために肘関節が本来の動きとは違う方向の運動をしてしまいます。
そうした無理な動きを繰り返すことで、痛みが出てしまうんです。
①肩関節の外旋
肩関節でいうと外旋(外にねじる動き)がとくにポイントになってきます。
この動きが硬くなると、カバーするために肘を外側にひねろうとします。
本来、肘関節は外側にひねることは出来ません。
ですので、その動きをすると、内側の靱帯が伸ばされたり、外側の骨同士が衝突したりします。
結果的に肘の痛みが起きてしまうんですね。
②手首の回外
手首では回外(ドアノブを回す動き)がポイントになります。
※「前腕の回外」と表現することもあります。
野球肘になる選手の多くが、手のひらを返そう(回外させよう)としても硬くてできません。
実際に行っていただくと分かりますが、
「肩関節の外旋」と「手首の回外」この2つの動きは単独ではなく、セットで起こります。
ですので、手首の回外が硬い場合も、同じように肘関節でカバーしようとして痛みが出てしまいます。
③股関節の内旋
股関節の内旋(足が内側に回るような動き)も大切です。
股関節は、肘とは離れた場所にあるので、一見関係ないようにも思えますが、
投球動作の中では非常につながりがあります。
実際に、投球動作のどこで股関節の内旋が起こるのか?
このように、前に踏み出した足の股関節が、
腰を回すのと同時に内側にひねられていきます。 これが股関節の内旋です。
この動きがスムーズに行われると、リリースで足から指先までを一直線に出来ます。
しかし、内旋の動きが硬くなってしまうと、腰が回りきることが出来ません。
結果、リリースで肘が曲がってしまうんです。
この状態では、肘の無理な動きとなるため、痛みが出てしまいます。
野球肘の改善・予防ストレッチ
ここまで述べた、3つのポイントとなる動きを改善するストレッチをお伝えします。
①肩の外旋ストレッチ
バットなどを用いて、写真のように持ちます。
※チューブなどで行っても構いません。
反対の手でバットをゆっくり上に動かします。
そうすることで、より肩の外旋の動きを大きくできます。
②手首の回外ストレッチ
回外がしづらくなる原因の一つに、前腕の「回内筋」が硬くなっていることが考えられます。
「回内筋」とは手首(前腕)を内側に回す時に働きます。
※ドアノブを回す動きとは反対です。
回内筋は、写真の指で押さえている部分です。
この筋肉をグッと押した状態で、内、外に回すように動かします。
今の動きで少しほぐれてきたら、
次に、回外(手のひらを上に向ける)の状態を作って、外にグッと伸ばしていきます。
③股関節の内旋ストレッチ
座った状態で、膝を内側に倒します。
余裕のある方は、倒していない方の足を上にのせて重みをかけてみて下さい。
この時にお尻が浮いてしまうと伸びづらいので、
浮かさないように注意しましょう。
裏もものストレッチ
股関節の内旋の動きを良くするために、裏もものストレッチも効果的です。
足を少し内股にした状態で前屈をします。
内股にすることで、内旋の動きがより出やすくなります。
肘以外を動かして野球肘を防ごう!
いかがでしたか?
野球肘の原因は肘以外にこんなに沢山あるんですね。
これを知っているのといないのとでは、ケアや投げ方などに大きく違いが表れるのではないかと思います。
ぜひ皆さんも参考に、ご自身の予防やケアにお役立てください。
動画では実際にポイントを押さえながら、ストレッチを行いながら解説しています。
とても分かりやすくなっているので、ぜひこちらも参考になさって下さい。
本日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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