みなさんこんにちは。
京都市北区にあります MORIピッチングラボ代表の 森洋人です。
今回は前回に引き続き、内司和彦先生に「伸び族縮み族」についてお話をお伺いします。
前回は「プロの選手に縦巻き横巻を当てはめると?」についてその概要を解説いただきました。
そして自分に合ったリリースポイントがわかる「縦巻き横巻きの法則」についてもお話いただきました。
前回の記事をご覧になっていない方はこちらを先にご覧ください。
伸び族縮み族とは?
森)以前「プロの選手に縦巻き横巻を当てはめると?」についてお話を伺いましたが、今回は「伸び族縮み族」について解説していただきたいと思います。よろしくお願いします。
内司)よろしくお願いします。
森)さっそくですが、「伸び族縮み族」とはどういうものなのか、教えていただけますか?
内司)はい、簡単に説明します。
伸び族の方は体を伸ばす方が得意で、縮み族の方は体を縮める方が得意です。
伸び族の方は腕を伸ばすこと以外にも、手を開くというのも伸ばす事になるので得意な方が多いです。
私は伸び族なので手を開く方が得意です。
森先生はどちらですか?
森)私は完全に握る方ですね。
内司)そうですよね。見てて分かります。
他にも伸び族は話をするときに、強調する瞬間に体が上に伸びるんですよ。
森)なるほど、私は縮めますね!
内司)そうなんです、それに縮み族はびっくりした時に縮みます。
森)そうですね。びっくりしたときは体が縮みます。
これは、生まれつきと考えていいんですか?
内司)そうですね、一生変わりません。
伸び族縮み族も同じです。
森)どっちが良い悪いということではないですか?
内司)特徴なので、そのようなことはないです。
森)それを活かしてパフォーマンスに繋げていけばいいということですよね?
内司)そうなんです。
それを知るだけでこっちを頑張ればいいんだという事が分かるんです。
例えば、日本人特有ですが出来ないことを頑張ろうとします。
できないことを努力して克服するのは大切な事なんですけれども、自分の体に合わないことをいくら頑張ってもできないものなんです。
できないことに時間を使うよりも、できることに対して時間を使った方がもっと伸びます。
森)なるほど、指導者の方に自分に合わないことを言われてもそれが本当だと信じてやり続けてしまうんですね。
内司)なので森先生が大谷選手の真似をしようとしても上手くいかないんですよね。
自分に合わない事を練習しても返って痛めてしまいます。
自分の体を知ると何を頑張ったらいいのかが決まってくるので、そっちを頑張った方がいいですね。
森)なるほど。
例えばトレーニングにおいて気を付けることは何かありますか?
トレーニングにおけるそれぞれの気を付けるべきポイント
内司)ありますね。代表的なものですとベンチプレスをしたときに縮み族の方が肘を伸ばし切るように頑張ると肘を痛めます。
逆に伸び族の人が、縮める方向にギューッとすると肘を痛めるんですよ。
肘が曲がってしまって伸び切らない大体の人が、間違って使ってしまっています。
逆に伸び族の人が縮める方向に使うと肘が伸びなくなります。
森)なるほど、そうなんですね。
最近の話題で、「テイクバックからトップにかけて肘の角度を伸びた方が良いのか縮めた方がいいのか」という話があると思いますが、これも選手それぞれに違いがあるということなんですか?
内司)そうですね、自分に合った角度を見つけてあげた方が良いんですね。
森)私は投げやすい方と、違う角度が良いとされていることに違和感があって、伸び縮みの事ですごくスッキリしました。
自分が伸び族か縮み族か判断する方法はありますか?
伸び族縮み族の判断方法とは?
内司)はい、あります。歩く姿を見るだけで分かります。
例えば、伸び族の方は上につきあがる歩き方で、縮み族の方は下に沈む歩き方になります。
また、縮みの方は重心が低く、伸びの方は重心が高いです。
なので伸びの方はトンネルしやすいです。
(トンネルとは、「野球において、ゴロの打球を捕り損ねて足の間をすり抜けていく様」を指します。)
かがんでも行き切らないんですよね。
森先生はどうですか?
森)そうですね、腰は完全に落とすというかこれが1番楽な姿勢です。
内司)なるほど。だから森先生はトンネルが少なく、かがんでボールを取ることが得意なんですね。
腰が高い低いかだけでも分かってきます。
森)では、縮み族の人が伸びる歩き方はしないんですか?
内司)そうすると痛めてしまいます。
縮み族の方が伸ばそうと意識すると股関節を痛めてしまいます。
逆も同じで伸び族の方が縮める方向に体を使うと股関節を痛めてしまいます。
森)なるほど。例えば伸び族の人がずっと座り仕事だとしんどくなりますか?
内司)そうですね、私みたいな伸び族の人は脚を伸ばして体を反りたくなるんですよ。
縮み族の方は腰が低いので、タメが上手な人が多いんですよ。
森)私は縮み族なので、タメっていう言葉にすごくしっくりきますね。
イメージがしやすいというか。
内司)だから腰をかがめて横重心ができやすいのは、縮み族です。
森)なるほど。
プロのピッチャーを見たら大体この2つに分かれていると思うので、この動画を見てくださってる方で、「あっ!」って思っている方は多いと思います。
内司)そうですね。
またその点を見ながらプロ野球選手など他の選手を見るとすごく面白いですよ。
他にもこんな特徴が
内司)伸び族の方は背筋を伸ばすと背筋が伸び、縮めると詰まってしまいます。
私は伸び族なので背筋を伸ばしていた方が楽です。
森先生はどうですか?
森)私は背筋を伸ばすと苦しいです。
内司)丸くなったら背筋伸びませんか?
森)そうですね。
多分見た目は縮んでるように見えるけど、自分の中ではむしろ伸びているような感覚がありますね。
内司)それくらい体が違うんですよ。
人種が違うという意味で伸び族縮み族と名付けました。
ぜひ皆さんも自分のタイプを知り、他の選手のタイプを観察し、ご自身の野球に活かしてください。
今回の内容は動画でもご覧にいただけますのでぜひご覧ください↓