皆さんこんにちは!
京都市北区にあります MORIピッチングラボ 代表の森です。
今回も野球のピッチングにおけるヒントやコツをお伝えしていきます。
今回のテーマはランニングが必要な本当の理由です。
野球にランニングは必要なのか?
昔からピッチャーはよく「走れ!走れ!」と言われることが多いです。
しかし近年では様々なトレーニング理論ができて、走るよりも効率的な練習があるのではないか。
例えば200~400mくらいの短距離の方がもっと効率的にトレーニングできるのではないかというような意見も多数あるようです。
私の個人的な感想ではランニングは必要だと思っています。できるだけしっかり走る方がいいと考えています。
指導者やプロの選手が「走りこめ!!」と指導するのは何か理由があると私は考えています。
私自身ランニングに疑問を持っていた時期もありましたが、学びや選手を見る中で必要だと思いました。
私がランニングが必要だと考えているのは「正しい体重移動」が身につくからです。
ピッチングとランニングの共通点
それは、体重移動です。
体重移動の時に何が一番大切なのかというと、しっかり片脚に体重を乗せることができるかです。
走る動作では片脚を前に踏み出す時、前足に体重を乗せるまでは後ろ脚に体重が残っています。
その繰り返しが歩行であり、その延長線上がランニングです。
ピッチングも一緒で、足を上げて前足に体重が乗るまでは軸足に体重が残っています。
踏ん張って体を回転させていく瞬間から前の足に体重が移動していきます。
走る時になぜ軸足に体重を残さなければいけないかというと、ストライドを広げるためには軸足に体重が乗っている時間が必要なんです。
ストライドが短い人は前足を早くついてしまうんですね。
野球選手の体が早く開いてしまう、上体が前に突っ込んでしまうなどの悪い体の使い方として、
後ろ足に体重を乗せれない、前足への体重移動が速いというものがあります。
中殿筋を使うと軸足に体重が残せる!?
なぜ軸足に体重を残せないのかというと、ここではあえて具体的に言いますがお尻の横にある中殿筋という筋肉がうまく使えていないからです。
中殿筋が上手く使えていると、体重移動もしっかりできるし、軸足に体重を乗せることが可能になります。
例えば中殿筋が麻痺してしまうと、トレンデレンブルグ歩行という歩き方になります。
歩く動作で右足を上げたとき、左の中殿筋が働くことで骨盤が平行に保たれます。
中殿筋が麻痺してしまうと、骨盤を上に押し上げることができないため平行に保てなくなり、カクンと骨盤が落ちてしまうんです。
このトレンデレンブルグ歩行は、軸足に体重を乗せることができないので早く足を前についてしまいます。
中殿筋が使えない=こんなイメージなんです。
ランニングをすることでこの中殿筋を使うので、体重移動が身に付きます。
中殿筋がピッチングに与える影響
中殿筋の働きが弱い選手は片脚で立った時に、骨盤を平行に保つのがすごく苦手です。
特徴としては、片脚で立った時に中殿筋が落ちてしまって足を大きく踏み出すことができないんです。
トレンデレンブルグ歩行と同じで、中殿筋が抜けているから早く足が前に出てしまうんです。
中殿筋が抜けてしまうと、大腿骨が内転してかつ、膝が内側に入ってしまいます。
するともう次の動作は活きてこないんです。
踏み出し足の中殿筋が抜けるとどうなるのか?
リリースで前足に体重を乗せていったときに後ろ足の骨盤が落ちてしまいます。
プロの選手の動画などを見てもらうとわかるんですが、体重を乗せていって投げる時に後ろ足の方の骨盤が上がるんですが、中殿筋が抜けると落ちてしまうんです。
すると軸足の大腿骨ラインが内側に入ります。これは、踏み込んだ足の中殿筋がうまく効いていない証拠です。
これがピッチング動作を見ていて、「中殿筋効いていないなぁ」と思う選手の特徴です。
こういう選手ほど、中殿筋をしっかり使うという感覚がないんです。
中殿筋の体重移動のタイミングや感覚が体に入っていないので、わからない、感覚でつかむのが苦手なんだと思います。
そういう選手ほど走っていないケースが多いように感じます。
では中殿筋を鍛えるトレーニングなら何でもいいのかというと、そうでもなくて沢山トレーニングがある中で大事なのは体重移動になります。
体重移動という観点からもやはり、ランニングはピッチングのための中殿筋を鍛えるのに適していると思います。
回数や数をこなすことで、感覚や神経回路はできてくるので、ある程度の距離を走るのが中殿筋を鍛えるトレーニングとしては必要だというのが私の考えです。
まとめ
今回はピッチングにおいてランニングは必要なのかについてお話しました。
あくまでも私の考えなんですが、参考にしていただけると嬉しいです!
動画でもご紹介していますのでぜひご覧になってください!
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