皆さんこんにちは!
京都市北区にあります MORIピッチングラボ 代表の森です。
今回も野球のピッチングにおけるヒントやコツをお伝えします。
前回のブログで、野球肘とリリースポイントの関係についての論文を紹介しました。
野球肘になる選手はそうでない選手と比べて、リリースポイントが外方になるという驚きの事実が判明しましたね。
実は、その論文を読むともう一つ驚きの真実が書かれています。それが「球速と怪我のリスク」です。
ということで今回のテーマは、
ケガをしなかった投手は平均球速が低下していた!?驚きの理由とケガ予防の極意です。
この論文はケガをした70人の投手と、ケガをしなかった70人の投手の過去3年間の投球データを遡って研究、比較したものです。
その中で「ケガをしなかった投手群70人は3年間で平均球速が落ちていた」ということが判明しました。
逆にいうと「ケガをした投手群は3年間球速を維持し続けていた」ということになります。
では、なぜ肘を怪我した選手とそうでない選手の球速に差が生じたのか?その理由について解説していきます。
球速に比例して野球肘のリスクが上がる
これは様々なデータからその事実が明らかになっています。
速いボールを投げれば投げるほど、それだけ肘にかかる負担は大きくなる。これはいわば当然のことです。
肘を怪我した投手はそうでない選手よりも3年間、平均球速を維持していた。(当初の球速は両者に差はない)つまり速いボールを投げ続けていたということです。
それだけ肘に負担がかかるのも仕方のないことでしょう。
では、なぜ肘を怪我しなかった選手は球速が落ちていたのでしょうか?そのことについて説明していきます。
「何割の力で投げているか」が重要
よく良いピッチャーは普段は8割の力で投げていて、大事な場面になった時だけ100%の力で投げるという話を聞きます。
例えば、3年前は手術群、非手術群共に70%の力で150km投げていたとします。
しかし年々筋力や体力は落ちていきます。
3年間150kmを維持しようと思ったら、今まで70%の力で150km投げていたのを、例えば90%の力に変えて投げ続ければ球速は維持できます。
しかし、前より20%力を入れて投げないといけません。これが肘を痛めた選手たちです。
一方、肘を壊さなかった選手は、このパーセンテージ(当初の70%)を変えずに投げていたため平均球速が少しずつ落ちていた。
球速は落ちていたものの、出力(力を出すパーセンテージ)が変わっていないのでケガをするリスクは減ります。
前より20%も力を入れて投球強度を上げて投げていた手術群は、当然リスクが上がるということですね。
野球肘にならないためには「8割投球」
過去の動画でも何度か言っているんですが、
「8割の力」で理想とする球速を投げれるようにする。これがケガを予防するための最大のポイント。そのために技術の向上をしなければいけない。150km投げるために球速や技術の向上を行うのではなく、140㎞を8割の力で投げれるためのトレーニングや技術の向上が必要。それが何よりのケガ予防につながる。
という私のお話ともまさにリンクする内容だと思うので、このデータを見て強くそう思いました。
これは、研究データから読み解くもので人それぞれの解釈ではあるとは思いますが、私の仮説になります。
ぜひ皆さんも、8割の力でしっかり理想の投球ができるようになるために、練習してください。
詳しく知りたい方はわかりやすく説明していますので、ぜひこちらの動画をご覧ください!!
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